勉強を始める前にすべきこと

わたしの勢いは止まらなかった。彩さんがいなくなって行政書士になろうと決めたときから、どうすればなれるのか必死で考えた。まずは書店にいって、資格の予備校の資料を集め、資格本コーナーで概要を調べた。試験は年に一度。合格率は決して低くはないけれど、60%の得点で合格できる。資格の知識を活かして企業の法務部を目指す人もいるし、独立開業する人もいる。目次をたどって、どんな内容を学ぶのかもチェックした。

そして、わたしでもチャレンジできそうだと確信すると、今度はインターネットを使って勉強法を調べた。どうすれば受かるのか。合格までには少なくとも半年はかかる。覚える内容はかなり多い。試験対策をしないと本番で全て解くことができない。独学での合格は難しい。

行政書士についてひと通り調べ終わると、次に教材について検索を続けた。独学は難しいらしいから、予備校に通うか、通信講座を受講するか。予備校は会社を辞めないと通えそうにない。となると、通信講座が残る。わたしは、ノートに通信教育の会社を10社ほど書き出し、学費、教材の内容、フォロー体制、標準学習時間をメモした。ほとんど聞いたことのない会社ばかりだったから、それくらいやらないと何がよいのかわからない。

その後、メモを頼りに数社に資料請求をした。資料が届くのを待つ間は、口コミをチェックした。普段はあまり口コミを信用しない。近くにいる友人に相談するから。でも、自分の力でやらなければならない。良し悪しを見極めなければならない。そう思った。

資料が届き、口コミの内容も頭に入っている。行政書士の勉強のことや通信教育の会社について詳しくなった。こんなにもたくさんの通信講座があり、それぞれ特色のある教育を提供しているということ。その中から、わたしは、フォーサイトという会社に決めた。

学費は、5万円くらい。カードで一括で支払った。浪費癖はあるけれど、少し我慢すれば何とかなる金額。決して安月給というわけではない。何しろ、入社して5年も経つのだ。教材は、テキストのほかに、DVDとCDがついている。教材の内容は、講座選びの決め手になった項目のひとつ。

準備は整った。後は勉強を始めるだけ。でも、毎日会社に行って働いて、いつもは帰ってきてからテレビを見ながら食事をし、早くに寝てしまう。いったいどこに勉強する時間があるんだろ。DVDは、一枚辺り1時間以上ある。そんなまとまった時間を、どう確保すればよいのだろう。

適当に時間を使うのは、あまり良いことではない。ただでさえ、わたしは意志が弱い。計画的にすすめなければならない。送られてきた教材の中から、受講ガイドと試験の戦略について書かれた本を見つけた。それを参考に計画を立てた。

あとは、計画を遂行するための時間の確保だ。

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